優良顧客の囲い込みで、安定した利益を確保できるビジネス構造へ
顧客の囲い込みとは、有力な戦略を用いて、既存顧客を維持すること、そして見込み顧客を取り込むことです。多くの商品やサービスが展開される今、新規顧客の獲得は年々難しさが増し、既存顧客の維持と比べて、新規顧客の獲得は約5~10倍の費用がかかるといわれています。
また顧客の囲い込みは、顧客と長期間に渡り良好な関係を築けている証拠でもあり、商品・サービスのファンを増やし、ブランドのイメージUPにもつながります。
顧客囲い込み戦略のメリットとは?
顧客買い込みの一番のメリットはやはり、安定した収益性を確保できることです。定期的に一定料金を支払ってサービスを利用したり、商品を購入してくれれば継続的な収益に繋がり、安定したビジネスを展開できます。また長期間に渡る安定した利益が見込めることで、新規顧客を獲得だけに囚われなず、更に商品やサービスを向上させるための施策に時間とお金をかけられるようになります。その結果、更に多くのファンを獲得できるかもしれません。このプラスのサイクルに上手く乗ることがビジネスにおいてはとても大事です。
また、顧客の囲い込みが成功することで得られるもう一つのメリットは、顧客データの収集&分析です。ポイントカードや専用アプリ、コミュニケーションサイトを使用した施策で、顧客の心を掴むと同時に、顧客の行動パターンや好みなどの情報を蓄積することができます。その情報を活用して、商品やサービスの改良を行ったり、更なる顧客囲い戦略を立てることも可能です。
「優良」顧客とは?
顧客の囲い込みが大切っていうことが分かったうえで、具体的な戦略を紹介していきたいのですが、その前に「優良」顧客についても少し触れておきます。まずは優良顧客の定義について確認していきましょう。簡単に言えば、「企業にとってメリットの大きい顧客」のことをで、一般的に「購入頻度が高い」「購入額の多い」「最近買ってくれた」顧客のことを言います。
厳密には、「頻度(Frequency)」「購入額(Monetary)」「最終購入日(Recency)」という三つの軸で分析を行った際に上位に来る2割の顧客を指すことが多いです。(この分析手法は、RFM分析と言います。また別の機会に詳しく説明します。)
優良顧客は全体の約2割ですが、企業への売上の貢献率は抜群で、おおよそ8割近くを担っているというデータもあります。サービスや商品を支える大切な一番大切なお客さまです。囲い込み戦略を講じる前に、まずは自社の優良顧客のセグメントや分析を行い、ターゲットが求めていることを明確にする必要があります。
囲い込み手法-短期型&長期型-
顧客の分析をしっかり行った上で、いよいよ具体的な囲い込み手法の紹介に入っていきます。顧客囲い込みの手法は様々ですが、私は短期型・長期型の2種類に分けて、複数の手法を組み合わせることが多いです。
短期型囲い込み手法
短期型囲い込み手法とは、直接購入UPに繋がる仕掛けで、売上の増加やリピート率の向上が見えやすいのが特徴です。具体的には、自社ポイントシステムの導入や、期限付きクーポン券の発行など、「お得に買い物したい」という心理を利用して、すぐ購入に繋げる施策です。
長期型囲い込み手法
長期型囲い込み手法は、一件次回の購入に繋がらないものが多いです。SNSによる交流やコミュニケーションサイトの構築など、「ファンサービス」のような内容がここに分類されます。すぐに次の購入には繋がらないかもしれませんが、サービスや商品をより好きになってもらうことができるため、中長期的に、支持してもらえる「ファン」を増やすことができます。
具体的な成功事例紹介
紹介したい事例はたくさんありますが、ここでは、短期型・長期型という分類に沿ってそれぞれのアプローチ例をもとに解説します。
◇専用アプリで楽しめるポイント加算
生活ブランド「無印良品」の運営会社株式会社良品計画は、「MUJI passport」と称する自社独自のポイント制度を取り入れています。専用アプリで「マイル」と呼ばれるポイントをため、たまったマイルは無印良品すべての商品・サービスの支払い時に利用できます。ここまではよくある施策内容ですが、無印良品ではアプリを通して、誕生日優待や特別クーポンなど、顧客を満足させる仕掛けを多く盛り込んでいます。
◇コミュニティサイトの活用によるファン作り
⑴セルフ式うどん店として知られる「はなまるうどん」の運営会社株式会社はなまるは、2015年より、顧客向けコミュニティサイトの「はなまるうどん ファンサイト」を開設しています。FacebookなどのSNSアカウント、自社サイトや店内ポスターやPOPを通じて顧客に登録を促したところ、約1年で2万人以上の顧客ネットワークを確立することができました。
ファンサイト登録時に「年齢・性別」といった属性情報だけでなく、「店舗の利用頻度」や「商品選択時に重視するポイント」など行動パターンを示す定性的情報も取得できたことで、より顧客に合った情報を届けることに成功。その結果、コミュニティ会員にメールで配信されたクーポンの利用率は、従来のメルマガ経由と比較して3倍に上昇しています。
⑵1食でバランスよく栄養を含む「完全栄養食」の開発を行なっているベースフード株式会社は、定期購入者限定のコミュニティサイト「ベースフードラボ」を運営しています。「完全栄養食」を定期購入しているメンバーに限定することで、似た認識や感覚で、商品について安心して語り合える空間を作ることで、ファン同士の自然な会話が発生しているそうです。
また、定期的にコミュニティメンバー向けの試食会や会社見学などのオフラインイベントを開催し、ブランドや商品をより深く知ってもらうことで、ファンを心を掴み続けています。
自社に合った囲い込み戦略でビジネスを安定させよう
この記事では、顧客囲い込みの大切さと、優良顧客の概念、基礎的な囲い込み戦略の一部について紹介しています。ネット上には多くの事例や施策が紹介されていますが、すぐ飛びつかずに、その施策が本当に自社に合っているのか、自社の優良顧客を満足させることができるのか、しっかり考えた上で自社に合った囲い込み戦略を考えてみましょう。